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<title>文繰文庫 ショートショート ブログ版</title>
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<description>フミクリフミクラはショートショートのはっちゃけ文庫。文部科学雀の朝十（朝の十分読書習慣）運動を応援しています</description>
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<title>ショートショート　900</title>
<description> ●死が生んだもの　その日、わたしはまた津波のように襲ってきた死の恐怖に狂っていた。　何の変化もない日々。とりえもなく社会にも受け入れられないわたし。　このまま後の長い年月をただ腐っていくのかと思うと、今日にでも死んでしまいたい気持ちでいっぱいだった。　なのに死ぬのが怖い。生きているのも怖い。　なんて言ったのかは覚えていない。でも思うままに吐き出すと、やわらかくほほえんで師匠は言った。「ねえ、文字を
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<![CDATA[ ●死が生んだもの<br /><br />　その日、わたしはまた津波のように襲ってきた死の恐怖に狂っていた。<br />　何の変化もない日々。とりえもなく社会にも受け入れられないわたし。<br />　このまま後の長い年月をただ腐っていくのかと思うと、<br />今日にでも死んでしまいたい気持ちでいっぱいだった。<br />　なのに死ぬのが怖い。生きているのも怖い。<br />　なんて言ったのかは覚えていない。<br />でも思うままに吐き出すと、やわらかくほほえんで師匠は言った。<br />「ねえ、文字を生んだものは何だと思う？　それに、進化を促すものは？」<br />「……？」<br />　言葉なく見つめるわたしに、<br />「それは、『死』」<br />「え？」<br />　信じられずに聞き返すと、<br />「死はすべての終わりじゃない。だからこそ人は文字を作った。<br />たとえ今の自分たちが死のうとも、<br />そこで生み出されたものが生きていけるようにと。<br />そうやって、のちの人があらたな段階へと進めるような<br />礎はきづかれていくもの」<br />　そう言ってわたしの頭に手を乗せた。<br /><br />「確かに、死には悲しい面もある。<br />どんなに優れた人間をも無へと返してしまう。<br />けれど、そのひとたちも死があるからこそ、<br />生きている間に事をなしとげようとすることができたんじゃない？<br />　それに、もし、死がなければ生はありえない。<br />新たな命が生まれる必要がなくなってしまうんだから。<br />そして、死なない人間は、死がないことで生もなく、<br />人間とは別のイキモノになってしまう」<br />　それから一呼吸置き、<br />「ある時代に生きた人々の軌跡を線でたとえるなら、<br />それは絵を描くときの下描きの線。<br />たいてい下描きは一本じゃ描かないでしょ？　<br />何本もなんぼんも、大きな形から絞り込んで<br />もっともよい形へと近づけていく。<br />その線の一本いっぽんが、別の時代の目というもの。<br />だからこそ、死は必要になる」<br /><br />　わたしの頭を辿る手をそっと離し、<br />すこしいたずらっぽい目を合わせた。<br />「それに、こんな話。『にわとりと卵はどっちが先にあったか』って」<br />「どうなんですか？」<br />「はじめにあったのは、たまご」<br />「どうしてです？」<br />「はじめの鳥は、まだにわとりじゃなかった。<br />世代交代という流れのうちに、運命によって定められた<br />必然の『偶然』が起こり、その時代に生きるものが<br />思いもかけなかったものが生まれたりする。<br />そうしてにわとりでないもの、は卵を産み、<br />その中ににわとりとなる命が宿った。それが、死の力。<br />死は新たなものを生み出せる。だから、死は豊かなものだったのに……。<br />今では無味乾燥なものへとおとしめられてしまった」<br /><br />「でも」<br />　わたしは言った。<br />「死はなんにでもおとづれるし、生にとって必要なもの。<br />それはわかります。けど、その『生』はなんのためにあるんですか？　<br />なぜ先達を越えなきゃいけないんです？　<br />最後にはすべてが、この星も、宇宙だって死んじゃうのに。<br />　でも、もし神がいる、としたら。<br />死を司る神は大鎌を持ってます。<br />その鎌は稲刈りや小麦刈りのときと同じ役目を持っていて……<br />実りあるものを刈り取るんです。<br />人生の青春、赤夏、白秋を過ぎて、豊かにみのった人間の魂を<br />刈り取っていきます。もちろん、食べるために。<br />だから言うのかもしれません、『天に召された』って。<br />　結局わたしたちは神に食べられるために生きてるって考えると……<br />先人を超えてゆくことは、よりおいしく召し上がって<br />いただくための品種改良ぐらいにしかすぎないんじゃないですか？　<br />どう考えてもむなしいのは『死』じゃなくて『生』だと思うんです」<br /><br />　一気に言うと、先生はほほえみの残る顔に小さく眉を寄せて<br />考える表情を見せた。<br />　そして一言一言確かめるように言葉を出す。<br />「本来、生きること自体には本当に意味がないのかもしれない。<br />もしかしたらすべてが神様か何かの壮大な計画の一部なのかもしれない。<br />でも、だとしてもそれがなに？　<br />行きたくなくても行かされる遠足。<br />その道のりは学校の満足のためのものかもしれない。<br />けど、その途中を楽しむことだってできる。<br />行程や行動は決められているとしても、心だけは自由。<br />生が無常でむなしいものでも、自分までむなしくすることは<br />ないんじゃないかな。<br />　終わりは海にそそぐ川でも、その途中ではいろんな水と交わり、<br />別れ、恵みをあたえる。そんな豊かなものになれたなら、<br />いい人生だったと思うけど」<br /><br />　師匠の言葉を思い、自分の中に入れていると穏やかな声が響いた。<br />「解釈も生きかたも、あなたに合うものは違うかもしれない。<br />でも、精一杯考え、悩みなさい。それが若いっていうことなんだから」<br />　わたしの何倍もの時間を生きてきた師匠は、<br />どこか遠くを見るような目でわたしを見つめ、笑った。<br /><br /><br /> ]]>
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<dc:subject>ショートショート</dc:subject>
<dc:date>2009-11-27T00:07:04+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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<title>ショートショート　898</title>
<description> ●眼力　授業の一環として、学年全体で幼稚園へ行った。　グループに分かれて一緒にお弁当を食べて、それから遊びの時間。　なにをしようか話していると、その前に呼び方を決めることになって、「じゃあ、おねーちゃんは『しっぽ』」　一緒に遊ぶグループの子がわたしたちにあだなをつけはじめる。「そっちは『メガネ』ね」　うーん、まさに見たまんま。「あと『パーマ』と……『ジャージ』」　次はわたし。　どうなるかと女の子を見
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<![CDATA[ ●眼力<br /><br />　授業の一環として、学年全体で幼稚園へ行った。<br />　グループに分かれて一緒にお弁当を食べて、それから遊びの時間。<br />　なにをしようか話していると、その前に呼び方を決めることになって、<br />「じゃあ、おねーちゃんは『しっぽ』」<br />　一緒に遊ぶグループの子がわたしたちにあだなをつけはじめる。<br />「そっちは『メガネ』ね」<br />　うーん、まさに見たまんま。<br />「あと『パーマ』と……『ジャージ』」<br />　次はわたし。<br />　どうなるかと女の子を見ると女の子もわたしを見つめ、<br />「…………」<br />「…………」<br />　言葉なく二人で見つめあった。<br />「わたしは？」<br />　促すように訊ねると、小さな顔で眉を寄せ、<br />「――『コンタクト』」<br /> ]]>
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<dc:subject>ショートショート</dc:subject>
<dc:date>2009-11-26T00:33:04+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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<title>ショートショート　899</title>
<description> ●破れ窓「なあ、破れ窓理論って知ってるか？」　会社帰り、ふと思い出して友人に訊くと、「ん～？」　怪訝そうな顔。優位を感じておれは続けた。「破れた窓を放置しておくと、そこから連鎖的に犯罪が起こって治安が悪くなるって話だ」「……で？」「え？」「で、それが、なに？」　思わぬ言葉に答えあぐねて、「いや、それだけ」　おれが言うと、「ふーん」　つまらなそうな声を出した。「それだと、治安を良くするにはどうすりゃい
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<![CDATA[ ●破れ窓<br /><br />「なあ、破れ窓理論って知ってるか？」<br />　会社帰り、ふと思い出して友人に訊くと、<br />「ん～？」<br />　怪訝そうな顔。優位を感じておれは続けた。<br />「破れた窓を放置しておくと、そこから連鎖的に犯罪が起こって<br />治安が悪くなるって話だ」<br />「……で？」<br />「え？」<br />「で、それが、なに？」<br />　思わぬ言葉に答えあぐねて、<br />「いや、それだけ」<br />　おれが言うと、<br />「ふーん」<br />　つまらなそうな声を出した。<br />「それだと、治安を良くするにはどうすりゃいいんだ？」<br />「そりゃあ、小さな犯罪から取り締まればいいんだよ」<br />「じゃあ、今の治安が悪いのは、どの小さな犯罪のせいなんだ？」<br />「そんなのわかるか。それこそたくさんの積み重ねのせいだろ」<br />　友人は小さなためいきをつく。<br />「それじゃ結局なにも説明してないじゃないか。<br />そんなどこの馬の骨とも知らない外国の学者一人が<br />唱えたものじゃなくても、<br />この国には名も無き偉大な先人たちが残した、<br />もっと優れた言葉があるってのに。この外国かぶれめ」<br />「なんなんだよ」<br />「『うそつきはどろぼうの始まり』ってな」<br />　逆におれがためいき。<br />「それは個人の話だろ」<br />「違う。うそが堂々と話されることによって、<br />真実と真実を語ることの価値が下がる。<br />それが道徳の低下を招き、犯罪を起こし、隠しやすい環境を作る。<br />それにより軽犯罪が増え、治安が悪化。<br />がらの悪い相手をたしなめる地域の力も減り、<br />空き巣や強盗などの凶悪犯罪を起こす土壌を作るんだ」<br /><br />　……そう言われるとそんな気もするが、<br />破れ窓理論の説明ほぼそのままじゃないか。<br />「じゃ、それで言うと、今の治安が悪いのはどのうそのせいなんだ？」<br />　訊ねると、<br />「国の恥、政治屋だよ」<br />「じゃあ、治安を良くするにはどうすればいいんだって？」<br />「そんなの決まってる」<br />　うんざりしたような顔で小さく肩をすくめて。<br />「嘘つくだけしか能が無い、政治屋どもを<br />かたっぱしから処分すればいいんだよ」<br /><br /><br /> ]]>
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<dc:subject>ショートショート</dc:subject>
<dc:date>2009-11-25T00:05:06+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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<title>ショートショート　897</title>
<description> ●Office Automation　休み明け、会社に行くとそれぞれの席にパソコンが置いてあった。「どっ、どうしたんですか、これ？」　思わず言うと社長は得意げに笑って、「いいだろう。うちもＯＡ化してみたぞ」　まあ、確かに便利にはなるだろうけど。他のおじさんたち（社長も含めて）は使えるのかな？　……と思っていると。「悪い、これどうやるの？」「ちょっと教えてくれない？」　ひっきりなしにわたしを呼ぶ声。　社長にいたっては、
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<![CDATA[ ●Office Automation<br /><br />　休み明け、会社に行くとそれぞれの席にパソコンが置いてあった。<br />「どっ、どうしたんですか、これ？」<br />　思わず言うと社長は得意げに笑って、<br />「いいだろう。うちもＯＡ化してみたぞ」<br />　まあ、確かに便利にはなるだろうけど。<br />他のおじさんたち（社長も含めて）は使えるのかな？<br />　……と思っていると。<br /><br />「悪い、これどうやるの？」<br />「ちょっと教えてくれない？」<br />　ひっきりなしにわたしを呼ぶ声。<br />　社長にいたっては、<br />「なんかよくわかんないし、印刷して紙でくれないかな」<br />　すでに使うことすらあきらめた始末。<br />　……ちがう……。<br />　わたしは心で叫んだ。<br />　――こんなの、こんなのＯＡじゃない！<br /><br />　・オーエー [ OA ] <br />　Office Automation（オフィス・オートメーション）の略。<br />　事務作業において、従来の手段であった紙の上での<br />人力頼みの図表作成・手計算などをコンピュータ類を使用して電子化し、<br />一部を自動処理化することで効率化を図ること。<br /><br /> ]]>
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<dc:subject>ショートショート</dc:subject>
<dc:date>2009-11-24T06:23:25+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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<title>ショートショート　896</title>
<description> ●湧出と流出「こんなアンケートで車があたるなんてすごいねえ」　懸賞に応募するのがもはや趣味となった夫婦がアンケートはがきを投函しながらつぶやいた。「たかが車一台ちらつかせただけで何万人もがよろこんで個人情報を自分から晒すとはすごいもんだ」　募集した会社で担当がつぶやいた。「あとはこれをそれぞれ売り払っちまえば、車代金払ってもおつりがくるのにな」「まさか、売るつもりなんですか？」　同じ部署の人間が訊
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<![CDATA[ ●湧出と流出<br /><br />「こんなアンケートで車があたるなんてすごいねえ」<br />　懸賞に応募するのがもはや趣味となった夫婦が<br />アンケートはがきを投函しながらつぶやいた。<br /><br />「たかが車一台ちらつかせただけで何万人もが<br />よろこんで個人情報を自分から晒すとはすごいもんだ」<br />　募集した会社で担当がつぶやいた。<br />「あとはこれをそれぞれ売り払っちまえば、<br />車代金払ってもおつりがくるのにな」<br />「まさか、売るつもりなんですか？」<br />　同じ部署の人間が訊ねると、<br />「あたりまえだろ、もともとそのつもりでまいた餌だ。<br />ばれたらうっかり流出したことにすりゃいいさ」<br />「でも、違法ですよ？」<br />　すると訳知り顔で首を振り、<br />「おいおい、金は湧出するもんじゃないんだぞ？」<br /><br /><br /> ]]>
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<dc:subject>ショートショート</dc:subject>
<dc:date>2009-11-21T23:35:44+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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<title>ショートショート　895</title>
<description> ●文化陵辱　熊は死んで肉と皮を残すが、人が死んで残せるものは名だけであると父母やその父母たちからずっと聞かされてきた。だからこそ偉大な先人たちの名は語り継いできたし、自分の名前を汚さないように生きるようにしてきた。　名前はその人だけの大切なもの。他人と同じ名前をつけることはその人の運を奪い、運命を同じくしてしまうからとわたしたちは避けてきたんだ。　でもある日、テレビを見ていたら同胞でもない人間がわ
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<![CDATA[ ●文化陵辱<br /><br />　熊は死んで肉と皮を残すが、<br />人が死んで残せるものは名だけであると<br />父母やその父母たちからずっと聞かされてきた。<br />だからこそ偉大な先人たちの名は語り継いできたし、<br />自分の名前を汚さないように生きるようにしてきた。<br /><br />　名前はその人だけの大切なもの。<br />他人と同じ名前をつけることはその人の運を奪い、<br />運命を同じくしてしまうからとわたしたちは避けてきたんだ。<br />　でもある日、テレビを見ていたら同胞でもない人間が<br />わたしたちの言葉を使って名宣った。<br />「ピリカです」<br />　そしてまたある日、別の人間が<br />わたしたちの言葉を使って得意げに名宣った。<br />「ピリカです」<br /><br /><br /> ]]>
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<dc:subject>ショートショート</dc:subject>
<dc:date>2009-11-20T01:03:09+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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<title>ショートショート　894</title>
<description> ●脱魂落魄　夏のまんなか、八月三日。　その国では『八月三日計画』と名づけられた行動が開始された。　かつての敗戦国の汚名をそそぎ、独立を宣言。法律も新憲法などを施行し、八月三日はその記憶を後世に残すために国家の祝日として制定された。　しかし翌年。休みは連休にする法律の影響を受けて八月三日自体は休みにならず、その日を含む週の月曜日が休みとなった。
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<![CDATA[ ●脱魂落魄<br /><br />　夏のまんなか、八月三日。<br />　その国では『八月三日計画』と名づけられた行動が開始された。<br />　かつての敗戦国の汚名をそそぎ、独立を宣言。<br />法律も新憲法などを施行し、八月三日はその記憶を後世に残すために<br />国家の祝日として制定された。<br />　しかし翌年。休みは連休にする法律の影響を受けて<br />八月三日自体は休みにならず、その日を含む週の月曜日が休みとなった。<br /><br /> ]]>
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<dc:subject>ショートショート</dc:subject>
<dc:date>2009-11-19T00:38:33+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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<title>ショートショート　893</title>
<description> ●マイナスをプラス「あ～、くそう」　荷物を計りに載せたら思わず声がでて、「なに、どったの？」　弟が訊いてきた。「いやさ、たかが五十グラムはみでたせいで、宅急便の値段が結構上がるんだ」「五十グラム減らせばいいわけ？」　ふらりと出て行くと、手にはでかいビニール袋とスプレー缶。　袋で荷物をくるむと、中にスプレーを吹き込み始めた。「なんだそれ？」　訊くと弟は答える。「ヘリウム」
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<![CDATA[ ●マイナスをプラス<br /><br />「あ～、くそう」<br />　荷物を計りに載せたら思わず声がでて、<br />「なに、どったの？」<br />　弟が訊いてきた。<br />「いやさ、たかが五十グラムはみでたせいで、<br />宅急便の値段が結構上がるんだ」<br />「五十グラム減らせばいいわけ？」<br />　ふらりと出て行くと、手にはでかいビニール袋とスプレー缶。<br />　袋で荷物をくるむと、中にスプレーを吹き込み始めた。<br />「なんだそれ？」<br />　訊くと弟は答える。<br />「ヘリウム」<br /><br /> ]]>
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<dc:subject>ショートショート</dc:subject>
<dc:date>2009-11-18T00:27:07+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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<title>ショートショート　892</title>
<description> ●愛と不思議「最近、すごく変なんだ」　電話で友達が言った。「いつも会ってるのに彼がどんどん好きになってく。会えないと苦しくて、会ってても苦しくて。好きになるって、すごく不思議」　ふぅ、と彼女は甘いためいきをつく。「でも、一番の不思議は」　思わずわたしは言っていた。「結婚して半年もたてば、そんな気持ちのかけらすらどっかに行って見つからなくなることだよ」
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<![CDATA[ ●愛と不思議<br /><br />「最近、すごく変なんだ」<br />　電話で友達が言った。<br />「いつも会ってるのに彼がどんどん好きになってく。<br />会えないと苦しくて、会ってても苦しくて。<br />好きになるって、すごく不思議」<br />　ふぅ、と彼女は甘いためいきをつく。<br />「でも、一番の不思議は」<br />　思わずわたしは言っていた。<br />「結婚して半年もたてば、そんな気持ちのかけらすら<br />どっかに行って見つからなくなることだよ」<br /> ]]>
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<dc:subject>ショートショート</dc:subject>
<dc:date>2009-11-17T00:04:46+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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<title>ショートショート　891</title>
<description> ●そういう作風　テレビを見ていたら、有名なミステリーの作家がビルの屋上で死んでいるのが見つかったというニュースが流れた。　屋上の扉には鍵がかかっており、隣のビルには本人の遺書。飛び降り自殺だろうと警察は言う。　……と。「いや、違う」　一緒に見ていた夫がつぶやいた。「え？」　聞き返すわたしに真顔で振り向き、「これは自殺に見せかけた、巧妙な殺人事件だ！」
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<![CDATA[ ●そういう作風<br /><br />　テレビを見ていたら、有名なミステリーの作家が<br />ビルの屋上で死んでいるのが見つかったというニュースが流れた。<br />　屋上の扉には鍵がかかっており、隣のビルには本人の遺書。<br />飛び降り自殺だろうと警察は言う。<br />　……と。<br />「いや、違う」<br />　一緒に見ていた夫がつぶやいた。<br />「え？」<br />　聞き返すわたしに真顔で振り向き、<br />「これは自殺に見せかけた、巧妙な殺人事件だ！」<br /><br /> ]]>
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<dc:subject>ショートショート</dc:subject>
<dc:date>2009-11-16T19:37:57+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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<title>ショートショート　890</title>
<description> ●カタカナ語「この国はかっこ悪いね。すぐにニートで滅ぶよ」　と、クラスの留学生があざ笑うような目で言った。　ニート……就労逃避青年の事か。「うん、そうだね。なら君の国はいずれミートで滅ぶだろうね」
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<![CDATA[ ●カタカナ語<br /><br />「この国はかっこ悪いね。すぐにニートで滅ぶよ」<br />　と、クラスの留学生があざ笑うような目で言った。<br />　ニート……就労逃避青年の事か。<br />「うん、そうだね。なら君の国はいずれミートで滅ぶだろうね」<br /><br /> ]]>
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<dc:date>2009-11-13T02:14:43+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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<title>ショートショート　889</title>
<description> ●ひとつぶの星空　休日の午前二時過ぎ、友人から電話がかかってきた。「なあ、すごいぞ！　大発見だ」　興奮した声。「なんだ、また彗星でも発見したのか？」「いや、違うよ」　ごくりとつばをのみこんで。「空にはこんなにたくさんの星がある。その中のこの星にだって数え切れない人がいる。毎日何百人とすれ違う中で、誰かと誰かが出会ってひかれあって、お互い好きになるってすごいことじゃないか？」「あ～、おまえと彼女な」
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<![CDATA[ ●ひとつぶの星空<br /><br />　休日の午前二時過ぎ、友人から電話がかかってきた。<br />「なあ、すごいぞ！　大発見だ」<br />　興奮した声。<br />「なんだ、また彗星でも発見したのか？」<br />「いや、違うよ」<br />　ごくりとつばをのみこんで。<br />「空にはこんなにたくさんの星がある。<br />その中のこの星にだって数え切れない人がいる。<br />毎日何百人とすれ違う中で、誰かと誰かが出会ってひかれあって、<br />お互い好きになるってすごいことじゃないか？」<br />「あ～、おまえと彼女な」<br />「なんだよ、驚かないのか？」」<br />　なによりお前の変わりようが驚きだけどな。<br /><br />「だって、ほとんど奇跡だぞ」<br />　もどかしいような、じれったいような言葉。<br />「ああ、確かにな」<br />　だからこそ、そんなもんおれの身に起こったことはないんだし。<br />「なんだよ、なんでわかんないかな」<br />「いや、わかってるからそのへんで勘弁してくれ。……さもなきゃ」<br />「さもなきゃ？」<br />「――泣くぞ」<br /><br /> ]]>
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<dc:subject>ショートショート</dc:subject>
<dc:date>2009-11-12T04:03:54+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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<title>ショートショート　888</title>
<description> ●離乳食　はじめてうちの軒先にツバメが巣を作ってからというもの、娘はかいがいしくその世話をするようになった。……らしい。すくなくとも本人の中では。　見守り続けてどれくらいたった頃か、子ツバメたちが巣のふちで羽をばたつかせはじめる。「もうそろそろ、すだちの時期かもね」　わたしが言うと、「ええ？　まだ秋じゃないのに？」　驚いた顔が見上げた。「あはは。そんなに長くいたらツバメも育ちすぎちゃうよ」「え～、ど
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<![CDATA[ ●離乳食<br /><br />　はじめてうちの軒先にツバメが巣を作ってからというもの、<br />娘はかいがいしくその世話をするようになった。……らしい。<br />すくなくとも本人の中では。<br />　見守り続けてどれくらいたった頃か、<br />子ツバメたちが巣のふちで羽をばたつかせはじめる。<br />「もうそろそろ、すだちの時期かもね」<br />　わたしが言うと、<br />「ええ？　まだ秋じゃないのに？」<br />　驚いた顔が見上げた。<br />「あはは。そんなに長くいたらツバメも育ちすぎちゃうよ」<br />「え～、どうしよう……」<br />　困ったような顔をする娘。<br />「だいじょうぶ。さっぱりと見送ってあげよう？」<br />　小さな頭をぐしぐし撫でて、小さな命を見つめる。<br /><br />　それから何日かすると、<br />巣のそばに茶色いなにかの乗った踏み台が置いてあるのに気がついた。<br />　……なんだろう？<br />　手を伸ばすと、<br />「だめー！　ツバメが食べるんだから」<br />　どこかから娘の声。<br />「え？　たべもの？」<br />　顔を近づけると、しわしわで茶ばんではいるけれど、<br />ミカンみたいなものらしい。<br />「なにこれ？」<br />　訊ねると、<br />「すだち」<br />　残念そうな声で。<br />「……こんなのしか見つからなかった」<br /> ]]>
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<dc:date>2009-11-11T02:12:19+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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<title>ショートショート　887</title>
<description> ●ただより高い物　まだ独身のともだちとひさしぶりに会っておしゃべり。「あ、そうそう」　そのうちふと思い出して、わたしは言った。「うちのところの共同のごみ捨て場、心無い人たちが捨てかた汚くていつもいやだったんだけどね、この前見たら若い奥さんが黙々と片付けてて」「うん」「そこで捨てるのもなんだか悪くてしばらくしてから行ったら、ずいぶんきれいになってて気持ちよく捨てられたんだ」「へえ～」「あれを見たら、
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<![CDATA[ ●ただより高い物<br /><br />　まだ独身のともだちとひさしぶりに会っておしゃべり。<br />「あ、そうそう」<br />　そのうちふと思い出して、わたしは言った。<br />「うちのところの共同のごみ捨て場、<br />心無い人たちが捨てかた汚くていつもいやだったんだけどね、<br />この前見たら若い奥さんが黙々と片付けてて」<br />「うん」<br />「そこで捨てるのもなんだか悪くてしばらくしてから行ったら、<br />ずいぶんきれいになってて気持ちよく捨てられたんだ」<br />「へえ～」<br />「あれを見たら、見習わなきゃいけないなあって思ったよ」<br />　すると、なぜか曇る友達の顔。<br />「で、見習ったの？」<br />　ぎくりとするわたしに、<br />「見習おうって気はほんとにあるの？」<br />　さらに追い討ち。<br />「それまでならちょっといい話だったのに、<br />それを見習う気がないのに『見習おうと思った』って言うのは<br />どういう意味？　『すてきな人を見習おうと思える、<br />心のきれいなわたし』でも演出したいの？　<br />……未来に投げっぱなしにするくらいなら、<br />『わたしも見習った』って過去で話してくれれば尊敬もできるのに」<br />　あきれたような冷たいような視線にうちのめされていると、<br />慈愛に満ちた視線で彼女は言った。<br />「まあ、気にしないで。思うだけはただだもんね」<br /><br /> ]]>
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<dc:subject>ショートショート</dc:subject>
<dc:date>2009-11-10T00:49:23+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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<title>ショートショート　886</title>
<description> ●私事と仕事と「ん～！　今日も一日、終わった～！」　仕事時間を終えて、着替えを終えた中年警官二人が伸びをした。「さあて、今日で今週も終わりだ。仕事は忘れて私事を楽しまなきゃな」　一人は車のキーを軽く回して、「今日は飲むぞ！　どうだ、一緒に？」　するともう片方は、「これから下着の観察だ」　髪を整えながらのぞきこんでいた手鏡を軽く持ち上げて言った。
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<![CDATA[ ●私事と仕事と<br /><br />「ん～！　今日も一日、終わった～！」<br />　仕事時間を終えて、着替えを終えた中年警官二人が伸びをした。<br />「さあて、今日で今週も終わりだ。仕事は忘れて私事を楽しまなきゃな」<br />　一人は車のキーを軽く回して、<br />「今日は飲むぞ！　どうだ、一緒に？」<br />　するともう片方は、<br />「これから下着の観察だ」<br />　髪を整えながらのぞきこんでいた手鏡を軽く持ち上げて言った。<br /><br /> ]]>
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<dc:subject>ショートショート</dc:subject>
<dc:date>2009-11-09T02:43:43+09:00</dc:date>
<dc:creator>甘音（あまね）</dc:creator>
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