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文繰文庫 ショートショート ブログ版

フミクリフミクラはショートショートのはっちゃけ文庫。文部科学雀の朝十(朝の十分読書習慣)運動を応援しています

2007-12

ショートショート 391

●最後に残ったもの

 二人の男が砂漠で干からびかけていた。
「なあ……」
 一人の男が言った。
「おれたち、ここで死ぬのかな」
「そうかも、しれないな」
 もう片方が答えた。
「いやだぜ、こんなところで死ぬのは」
 だが、その言葉には無言を返し、それから小さく肩を揺らして笑う。
「なんだろうな、おれは。
こんなときにでも、もしかしたらなにか奇跡が起こって
生き延びられるかもしれないと思ってる。
これが災厄の壺の最後に残った希望ってもんなのかな」
「いや……違うな」
 一人がぽつりとつぶやいた。
「すべてから見捨てられ、何もできない状況。
そんな中で人間が出来ることと言えば……希望を持つことだけなのさ」
 小さな息に砂を軽く揺らしながら、男はゆっくり目を閉じた。

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テーマ:ショートショート - ジャンル:小説・文学

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