ショートショート 812
●焼死もしくは調理
昔から、田舎で学校の先生になるのが夢だった。
実際になってみると思っていたのとは違う部分もあったけれど、
少ない生徒に広い敷地、きれいな景色だけで充分すぎるほど。
そんなある日、教え子の家で火事騒ぎがあったというので
あわてて様子を見に行くと、燃えたというのは家畜小屋。
すこしほっとしながら見る焼け焦げた建物の残骸からは
掘り出された動物の遺骸が運ばれてくる。
「あんなにこんがり焼けちゃって……」
横のおばあさんのしみじみとした声に、
「ぶっ」
わたしの鼻から噴き出すしぶき。
運ばれていくのは豚だった。
――あれは焼死した豚の死体? それとも豚の丸焼き?
顔は平静を装いながら、わたしは鼻水をじゅるりとぬぐった。
昔から、田舎で学校の先生になるのが夢だった。
実際になってみると思っていたのとは違う部分もあったけれど、
少ない生徒に広い敷地、きれいな景色だけで充分すぎるほど。
そんなある日、教え子の家で火事騒ぎがあったというので
あわてて様子を見に行くと、燃えたというのは家畜小屋。
すこしほっとしながら見る焼け焦げた建物の残骸からは
掘り出された動物の遺骸が運ばれてくる。
「あんなにこんがり焼けちゃって……」
横のおばあさんのしみじみとした声に、
「ぶっ」
わたしの鼻から噴き出すしぶき。
運ばれていくのは豚だった。
――あれは焼死した豚の死体? それとも豚の丸焼き?
顔は平静を装いながら、わたしは鼻水をじゅるりとぬぐった。

