文繰文庫 ショートショート ブログ版

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2017-08

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ショートショート 258

●開けてはいけない

 明日は彼が初めてうちに来る日。
 せっかくだからおしゃれもして、
部屋もきっちり片付けて。
いいところを見せ付けようと思ったけど……。

 片付けながらふと見つけた服のせいで
夜中のファッションショーなんかやっちゃって、
来るのはもう今日。
 このまま寝ずにひどい顔で会うのだけはだめと
ベッドに入れば寝過ごして。
もはや彼の足音すら聞こえそうな時間になってしまった。
「ああ~、どうしようどうしよう……」
 散らかった部屋に、もう手のつけようもなくて
あわあわしてるとなんだか夏休み最後の日を思い出した。
 なさけなさを通り越して、
こんな自分がいっそ好きに思えてくる。

 そこへ、携帯電話。出ると、
いま駅を出たところだと言う。
 こうなれば……。

 ぴんぽーん。チャイムが鳴った。
「はいはいはい。いらっしゃい」
 走りよって玄関を開けると、
「なんか息切れてない?」
 彼がたずねる。
「ええ? そんなこと、ないよ」
 にっこり笑って中へと招いた。
「へえ、片付いてるね」
「そう? いつもどおりだけど」
 ふっふっふ、気づいてない気づいてない。
 お菓子と紅茶でもてなして、軽い話で笑い合い。
 完璧なわたしに酔いしれていると、彼が訊く。
「あ、卒業アルバムってないの?」
「あるよ」
 思わず立ち上がり、押入れへ。
 おし……いれ……?
「なんですとぅ!?」
 わたしは叫んだ。

テーマ:ショートショート - ジャンル:小説・文学

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