文繰文庫 ショートショート ブログ版

フミクリフミクラはショートショートのはっちゃけ文庫。文部科学雀の朝十(朝の十分読書習慣)運動を応援しています

2017-09

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ショートショート 313

●じっぱひとからげ

「なあ、見たか」
 朝っぱら、新聞を読む同僚が声を出した。
「ああ、あれだろ。どこぞの有名人を総務に雇うっていう」
「ぼちぼち来てればいいから
普段の活動の方をやれとは、さすが総務。
やっぱ普段からろくな仕事なんてしてないよな」
 同僚が言うと、
「冗談じゃないですよ」
 後ろから声がした。
見れば郵便を差し出す、総務の女の子。

「手紙のしわけとか電灯の交換だとか、
なにやってるんだろうと思いながら毎日いっぱいいっぱいですよ」
「へえ。じゃあ、なんであんな使えない奴を雇うんだろな」
 すると女の子はがっくりと肩を落とす。
「たとえばみなさんが相手企業のお偉いさんで、
どこの会社と契約してもまったく困らないとしたら、
相手はどうやって選びます?」
「そりゃ、何かひとつでも……」
 自分の言葉に、おれも同僚もぎくりとした。

「ですよね。そういうところに同席して、
握手やサインに話でもして、契約とれちゃうみたいですよ」
 大口の相手なんてよっぽどじゃなきゃ行く事すらむずかしいのに、
有名人だからって新人が行って、結果を出せるのか。
「だとしたら、おれたちって……」
「言うな」
 朝からひどくげんなりとした気分になった。

テーマ:ショートショート - ジャンル:小説・文学

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://fumikurifumikura.blog73.fc2.com/tb.php/341-cdad0999
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | HOME | 

FC2Ad

 

プロフィール

甘音(あまね)

Author:甘音(あまね)
めざせショートショート1050本!
いつだって全力疾走なのです。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。