文繰文庫 ショートショート ブログ版

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2017-10

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ショートショート 512

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 夏休み。故郷で過ごすわたしにゼミの先生からメール。
何でも講演に呼ばれて近くに来るらしい。
 せっかくだからとわたしも会場に行くと返事をすると、
迎えに来てくれる人がいるので一緒に行こうと誘われた。
 そして、駅で先生と落ち合い、
地元の人らしい女性の運転する車で会場へと向かう途中。
その人が得意げに語り出した。
「本当はね、先生でなく別のかたをお呼びしていたんですよ。
知ってます? 国語で有名なあのかた。
でも突然行けなくなったって連絡受けて、
どうしようかと思ったところで先生を思いついたんです。
しかもそのかただと講演料もずいぶんかかるところ、
ほぼ半分で先生をお呼びできたんですからよかったですよ」
 悪意もなにもなく、ただそれが自慢のように口にする人。
 ……なぜ、何の考えもなしにこんなことを言えるんだろう。
 こんな言葉を受けて先生がどんな気持ちでいるのかと思うと
あまりにつらくて。わたしは思わず口を開いた。
「あなたのだんなさんが言ってましたよ。
『おれはほんとは好きでたまらない人がいたんだけど、
結婚直前で去って行った。まあ、あの人は高嶺の花だったし、
おれには似つかわしくないほど身分が高すぎた。
そこで身分も低く安っぽい
あいつと結婚してやったんだ』って誇らしげに」


テーマ:ショートショート - ジャンル:小説・文学

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