ショートショート 544
●玄人好み
放課後、校舎を見回っていると、
教室から女の子たちの声が聞こえてきた。
早く帰るように促そうとしたけれど、
扉を開けようとしたときに耳に入った会話に手が止まる。
「わたしは〜〜君が結構好き」
きゃー とか わー とか、そんな小さな歓声。
そういえばわたしも小学生のとき、こんな会話をしたっけなあ。
「〜〜ちゃんは?」
「わたしは、彼、かな」
ええ〜、と驚きの声があがる。
誰だかはわからないけれど、意外な子らしい。
「だってあいつ、バカだよ?」
ふふふ、と小さな笑い。
「青いねえ。今の歳だと、悪ぶったりきざっぽかったりする男の子が
かっこよく見えるだろうけど、そんなのは将来くすむだけ。
その点、彼はおちゃらけてるけど基本的にものを考えてる。
ああいう子は将来、化けるよ。どんないい男になるかと思うと、
ぞくぞくするねえ」
その言葉に、どこかの妖艶があやしく目を細めている姿を思った。
そして。この子がどんな大人になるのかと思うと、
いろんな意味で将来が心配になった。
放課後、校舎を見回っていると、
教室から女の子たちの声が聞こえてきた。
早く帰るように促そうとしたけれど、
扉を開けようとしたときに耳に入った会話に手が止まる。
「わたしは〜〜君が結構好き」
きゃー とか わー とか、そんな小さな歓声。
そういえばわたしも小学生のとき、こんな会話をしたっけなあ。
「〜〜ちゃんは?」
「わたしは、彼、かな」
ええ〜、と驚きの声があがる。
誰だかはわからないけれど、意外な子らしい。
「だってあいつ、バカだよ?」
ふふふ、と小さな笑い。
「青いねえ。今の歳だと、悪ぶったりきざっぽかったりする男の子が
かっこよく見えるだろうけど、そんなのは将来くすむだけ。
その点、彼はおちゃらけてるけど基本的にものを考えてる。
ああいう子は将来、化けるよ。どんないい男になるかと思うと、
ぞくぞくするねえ」
その言葉に、どこかの妖艶があやしく目を細めている姿を思った。
そして。この子がどんな大人になるのかと思うと、
いろんな意味で将来が心配になった。
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