文繰文庫 ショートショート ブログ版

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2017-08

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ショートショート 852

●汚すの大好き

 雪の積もったある冬の日。彼と一緒に歩いていると、
どこかを見た彼が悲しい顔をした。
「どうしたの?」
 たどってみると、神社の中には壊された雪だるま。
「あ~。やられちゃったね」
 そのままにしておいたって誰も困らないのに。
 ひゅごっ、ひゅごっ、ひゅごっ。
 雪を靴裏で踏みしめながらすこし歩くと、
「神社ってよくばかがたむろしてるだろ?」
 彼が言った。
「夏には近づきたくないね」
 わたしはこたえる。

「下卑たやつほど腐った紫を着るし、
魚が住めないほどの清流を、自分たちも住めるように
無理やり汚してるって感じなのかねえ、奴らは」
「あはは、でも確かにね」
「基本的に人間には二種類がいる。
聖なるものを聖なるものとしてあがめる者と、
聖なるものを汚して喜ぶ人間。
邪悪な連中は規律があれば規律を壊し、
きれいなものがあれば汚さなければ気がすまない。
それを自分でできない小心者は、他人がやることでよろこびを感じ、
もてはやすからたちが悪い。
小中学の女の子なんてまさに悪魔の使徒どもだな。
雪だるまを見てどうするかを観察すれば、
人間性のテストに使えるんじゃないか?」
 不満げな彼の言葉にうなづくところもあったけど、
降っただけの雪に一番に足跡を残すのが好きなわたし。
 すべてを同意はできなくて、ちょっと後ろめたい気持ちになった。

テーマ:ショートショート - ジャンル:小説・文学

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