文繰文庫 ショートショート ブログ版

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2017-08

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ショートショート 870

●お天気おばさん

「今日のお天気は、全国的に晴れです」
 出勤前に眺める画面でお天気おねえさんが笑顔を見せた。
 じゃあ、傘は気にせず置いていこう。
 外に出ると、青い空。今日はさわやかな一日になりそうだった。
 ……けれど。
「悪い! 品質の課長に連絡入れてくれないか」
 会社につくなり、変にあわただしい空気。
わたしに気付いた係長が受話器の口を押さえていった。
「どうかしたんですか?」
「新製品で発煙が三件たてつづけにあったらしくて、
いま確認とってるところなんだ。頼む」
 それだけ言うと、電話に出たらしい相手に頭を下げながら話を始めた。

 じゃあ、わたしも電話しなきゃ。
 受話器を取り、かけようとすると別の人からかかる声。
「気をつけて。あそこの課長、気分悪いときまともに話できないから。
第一声で判断して、不機嫌そうだったらうまく流して話すすめて」
「はい、わかりました」
 音に集中しながら内線電話をかけると、
「はい?」
 確実に不愉快な中年女性の声。
「始業時間前に何の用?」
 隠しもしない不機嫌さがわたしの体を蝕んでいく。
 ……なんでうちの会社の女性責任者はこんなのばかりなんだろう。
自分の感情で同じ仕事ができなくなるとか、
仕事より先に本人の機嫌を伺えなんて言われるとか。
それが責任者としてあるべき姿?
 わたしは思わず言っていた。
「すみません。課長のところにかけたつもりだったのですが、
お天気屋さんにつながるとは思いませんでした」

テーマ:ショートショート - ジャンル:小説・文学

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